#1-5 美味しいキッチンのこれからは|とくしゅう
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

#1-5 美味しいキッチンのこれからは|とくしゅう

前回まで、町外からヤムズキッチンに出店する、4組のシェフを紹介しました。

特集の最後では、これからのヤムズキッチンをどのような形でありたいのか、担当している町ブランド推進課の石森和幸(かずゆき)さん、地域おこし協力隊でまちなかキッチンマネージャーの土屋綺香(あやか)さん、栗田敦臣(としおみ)さんに話しを聞きました。

画像5

石森さんは、2018年よりブランド推進課に所属し、商店街の活性化を中心に商業振興に関する業務を担当している。

町がシェアキッチンを始めたきっかけ

ヤムズキッチンは、商店街の活性化に向けた取り組みとして始まりました。2019(令和元)年6月に栗山町が作成した栗山町商店街活性化アクションプランに基づいて、「飲⾷店の新規出店」や「⾷を通じた賑わいの創出」につながる、商店街の空き店舗を活⽤した場として、町でシェアキッチンを実施することにしました。

プロポーザル方式[1]で実施できる団体を募集した結果「合同会社オフィスくりおこ」が応募し採択を受け 「ヤムズキッチン」との名称で、受託事業者として2020年10月から運営することとなります。

1年が経過したヤムズキッチンですが、栗山町内外から多くのシェフが登録されています。町内からはモンテマローネ豚丼もろはしレストランひで井澤農園potagerの4団体が登録。町外はこれまでに紹介した4団体が登録し、計8団体が平日を中心として、それぞれのシェフが腕によりをかけた料理を振る舞っています。

画像2

水曜日は商店街で「肉のもろはし」を経営している豚丼もろはし(TOP画像も参照)が、毎週出店しており、豚丼となんこつソーキ丼の2種類を提供している。

その中でモンテマローネは、2021年4月にヤムズキッチンを卒業し、5月から商店街に自分の店を構えることに繋がっています。

まちなかキッチンマネージャーが担う役割は

2021年4月から、栗山町はまちなかキッチンマネージャーとして、栗田さんと土屋さんが、地域おこし協力隊として着任しました。着任から半年が経ちお二人はどのような役割で、ヤムズキッチンに関わっていくのかを、お聞きしました。

土屋さんは、着任前は「シェアキッチン=コミュニティレストラン[2]」のイメージが強くあり「町民がシェフ、来店者も町民」という認識が強かったようです。しかし、実際に活動してみると、町外のシェフが多く、食べる人もシェフとの関わりがある人という場面を多く見かけ、ヤムズキッチンは「ファンづくりの実験場所」として、シェフが出店することにより、栗山町の「関係人口」に繋がるのではないかと考えを改めるようになりました。

画像3

土屋さんは、東京都で自然エネルギー事業に携わっていたが、野菜に強い関心があり、活動の場を求めて食材が豊富な北海道に移住した。ヤムズキッチンでも環境に配慮した仕掛けづくりをしていきたい、と語る

コロナ禍では、テイクアウトが重要な役割を担うと感じており、「今日はテイクアウトだけでやってみよう」といった、試験的にできる立場として自分たちに役割があるとしています。テイクアウトを本格的に実施する場合、どのようなシステムを作れば良いのか、さまざまな仕掛けができる環境が今のヤムズキッチンにある、と言います。

画像4

「ゆっぴのおやつ/おやさいごはん」として、土屋さんが出店したときに提供した「にんじんフライ」。動物性食品(肉、魚、乳、卵など)、小麦粉、白砂糖、化学調味料、添加物の5つのフリーなメニューとして、アレルギー持ちの子どもや大人に優しいランチの提供を目指している。

栗田さんは、町外のシェフが多いことから「シェフもお客様」として、自分たちの活動に満足して帰ってもらえるような役割が、今まで以上にヤムズキッチンに求められていると考えています。

画像4

栗田さんは、着任前は札幌で飲食業を営みながら、札幌中央卸売市場に通い、長年に渡り栗山の食材を仕入れていた。愛着のある栗山の食材を活用して商品開発や魅力アップの仕掛けをしてみたい、とのこと

シェフがどういう想いでヤムズキッチンに出店しているのか、初めの段階で確認しておかなければならない、と認識しており、「自分のお店を将来持ちたい人もいれば、栗山町の食材を使用したい人、自分たちの町の食材を振る舞いたい人、さまざまな想いがシェフにある。自分たちは『潤滑油』として、それを後ろ支えすることに役割があり、シェフの想いを、お客様である町民に伝えることができるように支援することが、町で行うシェアキッチンに必要な要素である」としています。

試行的な段階から実践的な段階に向けて

商店街の活性化に向けた取り組みとして始めたシェアキッチン事業。1年間の活動を終え、町外のシェフの出現やまちなかキッチンマネージャーの着任により、町が当初思い描いていたシェアキッチンの機能から少しずつ変化が生まれています。

2023年1月、現在の場所から栗山駅南交流拠点施設栗山煉瓦創庫くりふとにシェアキッチンの機能が移転することになります。現在の活動は試行的な段階ではありますが、移転に伴い実践的な段階へと成長するためにも、二人のまちなかキッチンマネージャーの役割は大きいと言えます。

画像6

栗山駅前にある、1961(昭和36)年に建築されたレンガ倉庫は、そらち南農業協同組合の農産物保管倉庫として、長年にわたり利用されてきたものであり、歴史を感じさせる趣きのある建物だ。

ヤムズキッチンを、これまで以上に魅力的な場とするためには「シェフ」と「町民」の両輪が深く関わることが重要となり、そこで生まれた関係から「町のシェアキッチン」が賑わうことで、商店街の活性化へと繋げていけるかが今後は問われてきます。そのためには、商店街関係者とも連携を取りながら実現へ向けて歩みを進めていく必要があります。

[1]業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った者を選定・契約する方式のこと。
[2] 「食」を通して地域の課題解決を目指す、参加協働型の起業モデルのこと。

【参考文献】
・栗山町(2019)「栗山町商店街活性化アクションプラン」

※ 本稿は、2021年9月10日に行った取材をもとに作成しています。

名称未設定

文章・写真:望月貴文(地域おこし協力隊)

最後までありがとうございます。Twitterでも情報を発信しています。

うれしいです。また見てくださいね。
北海道にある人口約12,000人の町、栗山町の公式note。「栗山の音を、書き留める・積み重ねる・継ぎ合わせる、オウンドメディア」として、栗山のヒトやモノ、コトに焦点をあてた記事を掲載しています。連絡先:https://note.com/kuriyama_town/message