#14 感動をありがとう、そしてこれからも 人と人の交流が紡いだ24年の軌跡|とくしゅう
栗山から世界一に!優勝記念イベント
栗山駅前通りで6月25日、栗山監督優勝記念イベントが行われ、野球日本代表監督としてWBC優勝に導いた栗山英樹さんを祝福しようと、町内外から町の人口を3千人超える約1万4千人のファンが訪れ声援を送りました。栗山さんはいつも通りの長靴姿で、軽トラックの荷台の上から「ありがとう」と声をかけながら笑顔で応えていました。
パレード終了後、栗山さんは「この景色を見ると帰ってきたことを実感します。栗山町と出会わなければ、世界一になることはなかった。本当にありがとうございました」と思いを語りました。
このほか、栗山さんの粋な計らいで写真撮影会が急遽行われ、約3時間をかけ、集まったファンと交流を深めました。
ありがとう栗山英樹さん 人と人の交流が紡いだ24年の軌跡
町政史上2人目となる町民栄誉賞を受賞した栗山さん。WBCの功績だけではなく、これまでもたくさんの夢と感動を与えてくれました。今回は24年にわたる栗山さんと町の交流を振り返ります。
プロ野球選手として7年のキャリアを過ごした栗山さんは、その後評論家として活動されました。町との繋がりは1999(平成11)年に栗山青年会議所の創立30周年記念式典に「同じ名前」という縁から、講演を依頼されたことがきっかけでした。
当時、映画「フィールド・オブ・ドリームス」に影響を受け、栗山さんは自身の野球場を作りたいと夢見ていました。町の人たちの温かさや豊かな自然環境に心打たれ、2002(平成14)年にログハウスと野球場を備えた「栗の樹ファーム」を湯地に建設。
町民有志の方々が「栗さんのためなら」と協力し、芝の整備、ハウスの建築、グラウンド整備などに力を貸したそうです。それ以降、町を生活の拠点とし、野球大会「ドリームカップ」や野球教室などで交流を深める一方、「栗さん」の愛称で町民として栗山の地で過ごしていました。
さらに、平成24年からは北海道日本ハムファイターズ監督に就任。2度のリーグ優勝(うち1回は日本一)を果たし、町内で2度パレードが行われました。2020(令和3)年に同監督を退任後は、日本代表の監督としてWBC優勝に導くなど、何度も私たちに感動を与えてくれました。
栗さんに出会えて本当によかった
初めて栗山さんが来町されたとき、そして栗の樹ファームを建設する時から交流しています。栗の樹ファームは当時の会議所メンバーと知恵を絞りながら、一緒に完成まで作業したものです。
元プロの選手で著名な方でありながら、私たちにとても近い距離で接していただき、今と変わらずとても気さくで優しさをもつ方で、勝手に「兄貴」として慕っていました。
その後、監督としてリーグ優勝・日本一・そして世界一と、私たちに「夢は正夢」の光景を何度も見せてくださり、栗山さんと出会えて本当によかったです。今後も栗山町が「栗さんらしく過ごせる場所」であれるよう、支えていきたいです。
私たちにたくさんのことを教えてくれた
栗山町に来てくれてありがとう。その一言に尽きます。栗山さんが教えてくれた「信じること」「感謝の心」「人の気持ちを大切にすること」など、学んだことは数え切れません。
以前、冬囲いやグラウンド整備など、栗の樹ファームのお手伝いにも参加していましたが、栗山さんも一緒になって作業を行い「ありがとうございます」と言いながら汗を流す姿に、素晴らしい人柄を感じました。今もファイターズが好きで長年応援できることは、栗山さんがいたからだと思います。
忙しい日々が続くと思いますが「一町民」としてみんなとお話しをしたり、ゆっくりできる時間ができればいいなと思っています。
栗山さんとは30周年記念式典がきっかけで出会い、栗の樹ファーム建設期から交流させていただきました。2004(平成16)年にファイターズが移転してきた際も色々と相談にも乗っていただき、今でも会の「相談役」としてお世話になっています。
その数年後、栗山さんが監督になった時は正直驚きました。もちろん事前に知らされてはおらず、一報を聞いたときは嬉しくて飛び跳ねて喜びました。
以前、応援する会での観戦バスツアーの帰りの高速ICで休憩中、試合後で疲れているはずの栗山さんが我々のバスに駆けつけていただき、御礼の一言をいただいたことも何度かありました。みんなはその度に大喜びで、栗山さんの優しさを改めて感じる瞬間でした。
監督を退任されたとき「北海道の皆さんに感謝をできる限り伝えたい」と話されていたことを思い出します。栗山町の自然の中で心も体も癒して、次の「夢は正夢」に向かって頑張ってください。''栗さん''ありがとう。これからも応援しています。
夢と感動をありがとう そして、これからも
WBC優勝という最高の成績を残し、5月末をもって野球日本代表監督を退任する。今後どのような道を進むかは、栗山さんにしか分からない。しかし、私たち町民は「夢は正夢」にし続けた”栗さん”を全力で応援し続けます。
これからも応援し続けたい
いつもふらっと商店街に足を運び、気さくに接してくれるのが栗山さんです。商店街のイベントにも何度か出演した際には、私たちが考えた企画にも笑顔で対応いただき、大変楽しそうに参加していました。
この数十年間、リーグ優勝、日本一、そして世界一と、勝利の瞬間にはみんなで「栗さんありがとう!」と何度も声をあげ、涙を流して喜びました。
最近はお客さんたちから「栗さんは次は何をするのかな~」なんて話も聞きます。どんな道に進んでも「夢は正夢」を何度も見せてくれた栗山さんをこれからも応援したいと思います。
もし、今声をかけるなら、ゆっくり休んで、落ち着いたらまた商店街に遊びに来てくださいと伝えたいです。
ファインダー越しから見続けた日々
10年以上前から栗山さんの写真をファンとして撮影しています。これまで撮影した数は1万枚ほどです。過去2回のパレードをはじめ、町内のイベントの場面で撮影していましたが、長年撮り続けることで栗山さんのさまざまな表情を見ることができます。ここ数年は疲れた様子を感じることもありましたが、時折見せる栗山さんのほっとした表情を見ると、とても安心します。
特に印象に残っているのは、子どもを抱きしめる栗山さんの写真です。試合中には見せない栗山さんの素の笑顔だと感じました。ファイターズ・日本代表監督として大変お疲れ様でした。これからは日常の様子も撮影させていただければと思っています。一ファンとしてずっと応援していきます。
未来につながる栗さんへのメッセージ
※ 本稿は、広報くりやま2023年8月号で掲載した内容を修正・加筆しています。