#12 生活と共にある、手打ちそばの輪~栗山手打ちそば愛好会~|まちのこと
2023年も年の瀬となり、新年の足音が近づいてきました。大晦日の恒例行事「年越しそば」。皆さまのなかには、こだわりのお店でそばを注文して、新年を迎えたいという人も多いでしょう。
栗山町には、手打ちそばの日常的に楽しむ活動をしている「栗山手打ちそば愛好会(以下、愛好会)」があります。2004年に発足した同会は、毎週金曜日に「まちの駅 栗夢プラザ(以下、栗夢プラザ)」で手打ちそばの販売をしています。
今回は、愛好会の皆さんから、発足の経緯や日常の活動、活動に対する想いついてお聞きしました。
活動のきっかけは町民講座から
愛好会は2003年、会長の長町剛(たけし)さんと磯野武司(たけし)さんが、栗山町教育委員会の生涯学習アドバイザーとして活動していた畠山健児(けんじ・由仁町在住)さんの紹介を受け、町民講座で手打ちそばの実演をしたことが始まりです。
講座後、参加者の中から共に活動していく流れとなり、2004年11月に愛好会が発足。知り合いを通じて活動の輪が少しずつ広がりを見せ、(取材時)現在は23人で活動をしています。
しばらくは町内の公民館などで、会員同士で手打ちしたそばを食べ合い、技術を磨いていましたが、栗夢プラザのオープンに伴い、2008年6月から「手打ちそばの日」と銘打ち、販売を開始しました。
変わらない栗夢プラザの名物企画
手打ちそばの日は15年間、変わらずに続けています。その日の活動を整理すると、次のとおりです。
手打ちそばの日の活動以外では、毎年開催している「新そばまつり(2007年から開始)」や町内イベントでの出店、道内のそば店を巡る研修旅行(年1回)のほか、手打ちそばの実演を学校や農協の婦人部、町内の福祉施設などで行う社会奉仕活動も盛んに行っています。
自分たちが求める手打ちそばの道
来年(2024年)で20年を迎える愛好会。毎週の活動のほかイベントにも出店するなど、活動量は決して少なくありません。ここまで続けてきた理由について、それぞれ伺ってみました。
副会長の成田静子(しずこ)さんからは「自分が打ったそばを家族やお客さんが食べてもらえるのが嬉しい」というシンプルな言葉が出ました。「毎回、反応を見るのが楽しみで、ずっと続けているんですよ」と語ります。
古林義弘(よしひろ)さんからは「私たちは、そばの段位(免許)を取りたくて、活動しているわけでは無くて、技術を教え合って活動しています。自分の求めるそばと向き合うことができて、この時間がすごく楽しい」ことが継続している理由のようです。
続ける理由は、会員により様々ですが「そば打ちを楽しみたい」という想いは皆さん共通しています。日常の生活とそば打ちの楽しみを尊重した輪の中で、居心地が良い場所を作りながら、無理なく続けています。
※本稿は、2023年12月8日の取材をもとに、広報くりやま2024年1月号で掲載した内容を加筆しています。