#23 地域で支える スポーツ少年団|とくしゅう
のびのびとスポーツを楽しむ栗っ子たちの居場所の一つであるスポーツ少年団。地域の皆さんの支えにより活動している、少年団の様子を取材しました。
全国最大の青少年スポーツ団体
スポーツ少年団(以下、少年団)は、昭和39年の東京オリンピックの開催決定をきっかけに起こった「オリンピック青少年運動」の一環として、1962(昭和37)年に「スポーツによる青少年の健全育成」を目的とした「日本スポーツ少年団」が創設されたことがはじまりです[※]。
2022年には創設60周年を迎え、現在では全国最大の青少年スポーツ団体として、約2万7000団体、約54万人が活動しています。
栗山町では、1981年に栗山町スポーツ少年団本部が発足し、少年団をスポーツ活動を通じて文化活動、奉仕活動を行うための自主的に結成・活動する団体と定義しています。
現在、町内には野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、柔道、剣道、少林寺拳法の計7種目の少年団があり、多くの子どもたちがスポーツを楽しみながら、健全な成長や仲間づくりの場となっています。
指導を行うのはボランティアの皆さん
少年団の指導者は、地域の大人の皆さんがボランティアとして担っています。指導者たちは子どもたちにスポーツの楽しさや仲間づくりの大切さを伝え、応援してくれる存在。
日頃の練習や大会、会場への引率、その他の事務作業など、多岐にわたる活動を子どもたちのためにへと熱い思いで行っています。
しかし、近年では少子化や指導者の担い手不足などの影響が顕著に現れており、2021年には「栗山バドミントン少年団」、2024年には「継立野球少年団(継立ロビンス)」が休団となり、今後も各団の存続は大きな課題です。
一方で、2024年4月には「少林寺拳法栗山スポーツ少年団」が立ち上がり、地域に根差した新たな活動が広がり始めました。社会情勢の変化に直面しながらも、地域の思いを受け継ぎながら支える指導者、そしてひたむきにスポーツを極める子どもたちの想いを紹介します。
子どもたちの笑顔のために
町内の小学生の約半数が毎年各少年団に加入しており、中高生も含めて多くの子が活動しています。団の活動は技術向上だけでなく、マナーや自主性、そして親や指導者への感謝の気持ちを持つことの大切さを伝えることが重要だと考えています。最近は少年団を掛け持ちする子も増えており、多くの活動を通して自分の好きなことを見つけ、成長する機会として活用してほしいと思います。
長年私は剣道の指導をしていますが、練習時間が近づくと、子どもたちの笑顔で待っている姿が脳裏に浮かびます。私の活動の原動力はまさに「子どもたちのため」という気持ちです。
少子化や指導者の確保、そして少年団の存続など、課題は多くありますが、近隣市町や中学校との連携など、時代に即した活動を今後も続けていきます。
栗山町スポーツ少年団本部の主な活動
交流機会の提供
新体力テスト
少年団PR活動
情報交換・意見交換
自信と優しさを学び、成長へ
13年前、岩見沢北道院という道場に入門したのが、私と少林寺拳法との出会いです。修行を積む中で武道を通じた学びを町の子どもたちにも伝えたいと思い、少年団を立ち上げました。
現在は小学生7人に加えて、保護者の方も参加しており、競技を通して親子が触れ合い、自然とコミュニケーションが生まれることに喜びを感じています。
子どもたちにとって強さを磨くことで自信が身につき、日常生活での自主性を養うことにつながると信じています。また、少林寺拳法はあくまで護身術であり、自ら攻撃を仕掛けません。技を極め、相手の弱点を知ることで、人の気持ちが分かる優しい子に成長してほしいと願っています。
今後はスポーツだけでなく、ボランティアなども行い、地域に根付いた活動をしていきたいです。
少林寺拳法栗山スポーツ少年団(団員:7人)
自分を守り、友だちを守る大切さを教えてくれた場所です。仲の良い友だちと過ごせるのが楽しく、黒帯を着けることを目指して頑張っています。
活動の場は学校にも
地域のチカラで支える 成長できる、居場所がここにある ―
まちの宝物である栗っ子たちにとって、少年団は一人ひとりの大きな成長を支える大切な居場所。私たちそして地域にできること、これからも一緒に応援し、その成長を見守っていきませんか?(※各少年団の連絡先については、広報くりやま2024年6月号をご確認ください)
栗山ロッキーズ(栗山野球スポーツ少年団)(団員:28人)
とても楽しく、やりがいのある活動の場だと思います。困っているときもチームのみんなで助け合える絆があります。みんなと一緒に全道を目指して頑張ります。
栗山ファイターズ(栗山バレーボール少年団)(団員:9人)
チームプレーが鍵を握る競技なので、協力することを通して仲間への思いやりの大切さを日々感じています。今後もポジティブ志向で大会や試合に臨みたいです。
栗山町ミニバスケットボールスポーツ少年団(団員:39人)
自分の理想のプレーができたときやコーチに褒めてもらえるときがとても嬉しいです。これからも一生懸命練習して、将来はプロの舞台で活躍したいです。
栗山町柔道スポーツ少年団(団員:17人)
自分を大きく成長させてくれた場所です。技術面のほか、挨拶や礼儀などの大切さを学ぶことができました。高校に進んでも柔道を続けたいと思います。
栗山剣道スポーツ少年団(団員:18人)
団員みんなが仲良しで、私にとってすごく居心地のいい場所です。主将としてまだ慣れないところもありますが、みんなを引っ張れるように頑張りたいです。
くりやまFC(栗山サッカー少年団)(団員:73人)
大好きなサッカーを仲間とのびのび取り組める場所です。兄がFCに入っていたことがサッカーを始めたきっかけでした。将来はプロの舞台で活躍したいです。
くりやまFC出身の髙野瀬紫苑(しおん)さんは、今年からAC 長野パルセイロ・レディースに所属し、女性プロサッカーリーグ「WEリーグ」で活躍しています。
注釈
公益財団法人日本スポーツ協会日本スポーツ少年団(2024)「ガイドブック『スポーツ少年団とは』令和6(2024)年度版」
※ 本稿は、広報くりやま2024年月6号で掲載した内容を修正・加筆しています。