#5-2 胆振東部地震から4年 今、地震を考える(2/2)|とくしゅう
前編では、町役場と町民からみた当時の胆振東部地震について紹介しました。
後編は、団体と消防の立場からみた胆振東部地震について紹介します。
活動を通して助かる命を助けたい
栗山町赤十字奉仕団
防災活動や献血事業など「明るく住みよい社会を築く身近な奉仕従事」を目的として活動しています。日赤フェスティバルでの炊き出しや防災訓練の協力、研修会の主催や参加など、さまざまな活動を行っています。今回、委員長の坂口さんほか5人の役員の方々からお話しを伺いました。
団体から見た当時の話
4年前の地震の際は、震源である厚真町に出向き、炊き出しなどの支援を行う予定であったとのことです。会員や近隣の関連団体とも連絡を取り合い、準備を進めていましたが「現地の事情で直前で中止となりました。何もできなかったという無力感を感じました」と当時を振り返ります。
まずは経験してほしい
「地震発生以降、主催する研修会の参加者は急増し、防災への関心が高まっていることを感じた」といいます。「防災グッズや災害食なども、実際に触れる経験がないと分からないものが多い。いざというときに動けるのはそうした知識を持っていることが必要だと思います」と話します。
団体以外の活動でも、役員たちは日頃から、訪問やご近所同士とのコミュニケーションなど「地域での繋がりも備えの一つとして必要だと思います」と語ります。
今後の活動や町民の皆さんに伝えたいことを聞くと「自主研修などの活動を通して学びを深め、助かる命を助けたい。そして、町民の皆さんも防災に関わる経験を、まずは少しでも積んでもらええれば」と話していました。
ハザードマップの確認など普段からの備えを心掛けて
消防から見た当時の話
地震直後、職員はすぐに署に集まり、町内の見回りを行いました。「信号は止まっていて、これまで体験したことがない状況下で巡回したのを覚えています。また、厚真町へ5人が出動し、任務にあたりました」。
町内では救急車の要請やホームタンクの転倒などがあったといい「ホームタンクは北海道特有のもので、地震によって火災や公害などの『二次災害』を引き起こさないように対応した」とのことでした。
災害への「備え」
栗山町のハザードマップ[※]を活用し、自分の住んでいる家や周辺にどんな危険性が潜んでいるかを把握することが大切です。今回のようにホームタンクが倒れる事例は何度も起きていますので、足が固定されているか、家につながっている管の劣化具合などをご確認ください。
また、防災グッズは、夏と冬で必要なものも代わってきます。定期的な点検をしつつ用意が必要です。
阪神淡路大震災の時は、電気の復旧後の通電により火災が多く発生しました。避難時はブレーカーを落とすだけでなく、コンセントを外すことで火災のリスクを減らすことができます。
災害に強い栗山を一緒に
私たち消防職員は、さまざまな災害に備えた訓練や町内の施設の安全点検、町内会・団体などで防災講座を行ったりしています。皆さんを救うことが私たちの使命です。一緒に災害に強い栗山を作りたいと思います。
栗山町総合防災訓練
町では、地域と各防災関係機関・団体が連携・協働した中で、災害に強い安心安全な地域づくりの推進と地域住民の防災意識の向上を図ることを目的に「総合防災訓練」を行っています。
今年は、松風中央まちづくり協議会を対象に、地震を想定した訓練を行います。災害が起きた時に落ち着いて行動するためには、経験と知識を広げることが必要です。
ご自身やご家族の生命、大切な財産を守るため、防災訓練に参加してみませんか?
栗山町総合防災訓練の概要
※ 本稿は、広報くりやま8月号に掲載した内容を補完したものです。