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#5-2 胆振東部地震から4年 今、地震を考える(2/2)|とくしゅう
前編では、町役場と町民からみた当時の胆振東部地震について紹介しました。
後編は、団体と消防の立場からみた胆振東部地震について紹介します。
活動を通して助かる命を助けたい
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栗山町赤十字奉仕団 坂口由紀子(ゆきこ) さん
北学田在住。本業である農業に従事しながら、2019年度より奉仕団に加入。2021年度より奉仕団の委員長に着任し、活動を行っている。
栗山町赤十字奉仕団
防災活動や献血事業など「明るく住みよい社会を築く身近な奉仕従事」を目的として活動しています。日赤フェスティバルでの炊き出しや防災訓練の協力、研修会の主催や参加など、さまざまな活動を行っています。今回、委員長の坂口さんほか5人の役員の方々からお話しを伺いました。
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左から倉島知恵子(ちえこ)さん、笹森順子(じゅんこ)さん、坂口さん、山田寿子(ひさこ)さん、日田澄子(すみこ)さん
団体から見た当時の話
4年前の地震の際は、震源である厚真町に出向き、炊き出しなどの支援を行う予定であったとのことです。会員や近隣の関連団体とも連絡を取り合い、準備を進めていましたが「現地の事情で直前で中止となりました。何もできなかったという無力感を感じました」と当時を振り返ります。
まずは経験してほしい
「地震発生以降、主催する研修会の参加者は急増し、防災への関心が高まっていることを感じた」といいます。「防災グッズや災害食なども、実際に触れる経験がないと分からないものが多い。いざというときに動けるのはそうした知識を持っていることが必要だと思います」と話します。
団体以外の活動でも、役員たちは日頃から、訪問やご近所同士とのコミュニケーションなど「地域での繋がりも備えの一つとして必要だと思います」と語ります。
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災害食や避難時の意識について講話の様子
(町育成会主催「リーダー研修」)
今後の活動や町民の皆さんに伝えたいことを聞くと「自主研修などの活動を通して学びを深め、助かる命を助けたい。そして、町民の皆さんも防災に関わる経験を、まずは少しでも積んでもらええれば」と話していました。
ハザードマップの確認など普段からの備えを心掛けて
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南空知消防組合消防署 高松徹(とおる)さん
中央3丁目在住。1992年に消防士として拝命。現在は警防係長を務める。胆振東部地震の際には、厚真町への災害地派遣を経験している。
消防から見た当時の話
地震直後、職員はすぐに署に集まり、町内の見回りを行いました。「信号は止まっていて、これまで体験したことがない状況下で巡回したのを覚えています。また、厚真町へ5人が出動し、任務にあたりました」。
町内では救急車の要請やホームタンクの転倒などがあったといい「ホームタンクは北海道特有のもので、地震によって火災や公害などの『二次災害』を引き起こさないように対応した」とのことでした。
災害への「備え」
栗山町のハザードマップ[※]を活用し、自分の住んでいる家や周辺にどんな危険性が潜んでいるかを把握することが大切です。今回のようにホームタンクが倒れる事例は何度も起きていますので、足が固定されているか、家につながっている管の劣化具合などをご確認ください。
また、防災グッズは、夏と冬で必要なものも代わってきます。定期的な点検をしつつ用意が必要です。
阪神淡路大震災の時は、電気の復旧後の通電により火災が多く発生しました。避難時はブレーカーを落とすだけでなく、コンセントを外すことで火災のリスクを減らすことができます。
災害に強い栗山を一緒に
私たち消防職員は、さまざまな災害に備えた訓練や町内の施設の安全点検、町内会・団体などで防災講座を行ったりしています。皆さんを救うことが私たちの使命です。一緒に災害に強い栗山を作りたいと思います。
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[※]栗山町ハザードマップ ※画像は市街地の地震ハザードマップ
栗山町内で土石流や洪水の恐れがある箇所、また、その際に避難する場
所について地図で示したものを記載しています。内容は、町ホームペー
ジでも公開しているほか、町の防災ガイドブックにも掲載しています。
栗山町総合防災訓練
町では、地域と各防災関係機関・団体が連携・協働した中で、災害に強い安心安全な地域づくりの推進と地域住民の防災意識の向上を図ることを目的に「総合防災訓練」を行っています。
今年は、松風中央まちづくり協議会を対象に、地震を想定した訓練を行います。災害が起きた時に落ち着いて行動するためには、経験と知識を広げることが必要です。
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ご自身やご家族の生命、大切な財産を守るため、防災訓練に参加してみませんか?
栗山町総合防災訓練の概要
日時:2022年9月4日(日) 8:00~11:30(雨天中止)
場所:栗夢広場(スポーツセンター横)
対象地域:松風中央まちづくり協議会(松風第6~9町内会、睦町内会)
訓練内容:ポンプ車による放水訓練、火災模擬実験(天ぷら火災模擬実験)、救護訓練、応急手当講習、防災備蓄品配給準備訓練(アルファ米、水)など
災害体験・展示:煙体験、防災グッズ展示など
問い合わせ:町総務課広報・防災・情報グループ(TEL:0123-73-7501)
町民の皆さんへ
当日、緊急速報メールの配信を行います。大きな音が鳴りますが、訓練ですのでお間違えのないようにご注意ください。
※ 本稿は、広報くりやま8月号に掲載した内容を補完したものです。
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文章・写真:伊藤昴(栗山町総務課)
写真:松井有彩(同上)・西村さやか(地域おこし協力隊)・栗山町役場