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#9 栗山町に移り住む人たち「あたたかく迎え入れるまちへ」|とくしゅう

近年、人口減少などの課題から全国各地で様々な移住の取り組みが行われています。栗山町でも情報発信や相談・支援などを行っており、まちの魅力を感じ「ここに住みたい」と移住を決断する方が増えています。

なぜ、今、移住に関する動きが進んでいるのか。そして、これから私たち町民が移住者に向けてできることは何か。今回のインタビューや移住者の声とともに考えてみませんか。

なぜ今「移住」なのか

今、多くの自治体で人口減少の課題を抱えています。栗山町においても、2030(令和12)年には人口が1万人を切ると推計されており、その後も減少の一途をたどると予測されています。

出典:町経営企画課

このままでは行政サービスの維持が困難となり、町の活気が損なわれることが懸念されます。

今後、本格的な人口減少社会に直面するため、その流れを緩やかにしていくことを目指す中、新たな町民を迎え入れる移住・定住の促進は町を守るための大切な取り組みとなります。

移住相談の傾向

コロナ禍や震災、人生の節目に差し掛かったことなどがきっかけで、それまでの生き方、暮らし方を見直し、地方で新しい生活をしたいと考える人が増えています。

栗山町への移住相談は、地域別で見ると首都圏在住者が最も多いことがわかります。

地域別移住相談の割合(2020年~2022年)
首都圏42%/道内26%/関西圏17%/中部6%/九州3%/その他6%(東北、甲信越、北陸、中国、四国)

出典:町若者定住推進課

また、最近は「北海道出身である」「道内の大学に通っていた」といった道外在住者からの相談が多くみられます。

同時に、札幌市を含む道内の市町村に住む人からの相談も増加しています。何度も通ううちに栗山町を気に入り、住まいの相談に来る人も多く、特に空き家の需要は増しています。

移住に関する栗山町での取り組み

栗山町のPR(情報発信)

 ホームページやSNSで移住情報を発信。また、お問い合わせに応じて移住パンフレットなどを送付してい ます。

栗山町移住パンフレット「くりやまさとやまらいふ」
特設サイト「くりやまSATOYAMA(さとやま)ライフ」

移住イベントへの参加

東京や大阪で行われる移住相談会や、オンライン開催の移住イベントでの相談対応をしています。

写真:町若者定住推進課

東京交通会館(有楽町)で開催された『北海道移住・交流フェア』の様子

暮らし体験の受け入れ

移住を考えている方が一定期間暮らし体験施設に 滞在し、町での生活を体験します。


写真:町若者定住推定課

しょうが堀り体験の様子

移住に向けてのサポート

こども園や学校などの町内 施設や仕事・住まいなどを希望に応じて案内。また、町民や先輩移住者との交流会を開催しています。

写真:町若者定住推定課

暮らし体験参加者を交えた『移住者交流会』を開催

これまでの移住実績

過去5年間(2017年度~20213年度)の移住者数は表のとおりです。また、今年度は、すでに9組14人の方が移住しています。

過去5年間の移住実績(町の移住相談窓口を利用した方)
2017年度 移住世帯数 21組 移住者 37名
2018年度 移住世帯数 16組 移住者 28名
2019年度 移住世帯数 14組 移住者 22名
2020年度 移住世帯数 19組 移住者 34名
2021年度 移住世帯数 25組 移住者 40名

出典:町若者定住推進課

栗山町への移住の決め手としては「自然・景色の良さ」「人の良さ」「札幌や新千歳空港まで近い」「街がコンパクトで生活環境が充実している」などが挙げられています。

自然の豊かさと利便性のバランスや、移住検討中に出会った地域の人との関わりが栗山町の魅力となり、移住を後押ししていると言えます。

移住者さんに聞きました 栗山町のここが好き
何といっても里山の美しさ。四季折々の景色は素晴らしいです。そして、人。皆さん優しくて親切です」
「食のレベルがとても高く、美味しい飲食店がたくさんあるところ。おすすめを聞かれると困るくらいです」
「何かを始めようという気持ちが強い人たち、町のためになることを考えて行動している人たちに刺激を受けます」

農業が結んだ出会い

写真:松井有彩

近藤 邦洋(こんどう くにひろ)さん
2019年12月に札幌市から移住し、有限会社粒里(つぶり)に勤務。家族3人で田舎暮らしを満喫中。元お笑い芸人で、現在は本格的な活動はしていないが、オファーがあった時は、自前のネタを披露している。

移住前は札幌市で農業をしていました。妻の実家が栗山町にあり、親しみがあったことや、農業フェアに参加した時に田村さんと出会い、気さくで優しい人柄に惹かれて栗山町で農業をすることを決めました。

栗山町は、夜の静けさがとても心地よく、第2の故郷のように感じています。休日は子どもと栗山公園に行ったり、冬は妻の実家でソリ遊びなどをして自然を満喫しています。

農業は天気に左右されるので大変ですが、トラクターの運転や畑の整備など新しいことに挑戦したり、研修で勉強をしながら楽しく仕事をしています。これからもずっと栗山町で暮らし、粒里で働きたいと思っています。

写真:松井有彩

有限会社 粒里 代表取締役 田村 賢治(たむら けんじ)さん
芸人をやっていたということで、最初はこちらが身構えていたところがありましたが、関わってみると好青年で真面目な人だとわかりました。新しいことや慣れない作業に日々苦労しながらも、一生懸命仕事に取り組んでいます。これからも栗山町で一緒に農業をやって行きたいと思います。

人の温かさが移住の決め手

写真:松井有彩

小暮 篤(こぐれ あつし)さん
20224年4月、藤柳さん所有の空き家に家族3人で徳島県から移住。教員免許や狩猟免許を持っているほか、趣味である落語を月に1回図書館で披露するなど、町内での活動を積極的に行っている。

娘が中学校へ進学するタイミングで、以前住んでいて馴染みのある北海道で暮らしたいと思っていました。令和3年11月に栗山町で暮らし体験をして、町内を巡ったり町民の方と交流する機会がありました。そこで人とまちの雰囲気の良さを感じ、体験が終わる頃には栗山町への移住を決めていました。

娘の同級生が「栗山町の大人は優しい。たくさん話しかけてくれる」と教えてくれて、その言葉の通り、藤柳さんや近所の方々に声をかけていただいています。

栗山町では子どもたちへの教育や有害鳥獣駆除などで、地域の皆さんの役に立ちたいと思っています。

写真:伊藤昴

藤柳 誠一(ふじやなぎ せいいち)さん・ふじ子(こ)さん
長い間空き家を活用してくれる人を探していました。小暮さんのような、人柄の良いご家族が入居してくれたことをありがたく思います。図書館で行われている落語は、ほとんど毎回見に行って楽しませていただいています。今後も陰ながらサポートしていきたいと考えています。

移住者さんも活用できる空き家、身近にありませんか

写真提供:空き家活用株式会社

空き家活用株式会社(地域活性化起業人) 李 賢模(イ ヒョンモ)さん

栗山町への移住相談が増えるにつれて、空き家を買いたい、借りたいという相談も増えてきました。町内に空き家を所有していて、活用方法を検討している方はぜひ「栗山町アキカツカウンター」へご相談ください。

空き家の片付け、相続、住宅の査定など専門のアドバイザーが解決までサポートします。

空き家活用株式会社が運営しているサービスです。相談すると空き家保険の対象となります。
【問い合わせ先】栗山町アキカツカウンター
TEL:0120-830-634(平日 10:00~17:00)
※対象条件を満たした空き家を保険の対象とする賠償責任保険です。

移住者を迎え入れるためには

写真:町若者定住推定課

栗山町移住コーディネーター 腰本 江里沙(こしもと えりさ)
北海道雄武町出身 栗山町在住歴15年。
町外出身者の視点を持ちつつ、町の人に支えられながらの子育て経験を活かし、移住相談対応をしています。

移住を考えている方に町内を案内していると、多くの町の人に出会います。「どこから来たの?」という言葉から、話が盛り上がることもしばしば。その優しく迎える雰囲気が、移住してから地域になじめるか不安な方を安心させるようです。

いつも思うのは「移住への一歩を踏み出せるのは町民の皆さんの協力があってこそ」ということです。温かく迎え入れる優しさをはじめ、空き家の提供や移住者への理解など関わり方は様々です。この町に魅力を感じ、新しい暮らしに挑戦する人たちを、これからも一緒に応援していきませんか。

【問い合わせ先】くりやま移住促進協議会(町若者定住推進課)
TEL:0123-73-7521 / 080-9003-0658(平日8:30~17:15) 
Mail:iju[a]town.kuriyama.hokkaido.jp
*[a]は@に変更してください

※ 本稿は、広報くりやま2023年1月号で掲載した内容を一部加筆しています。

文章・写真:松井有彩(町総務課) 写真:伊藤昴(町総務課)

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