#13 「くりやまのおと」を振り返る3年3ヵ月|ふりかえり
くりやまのおと編集担当の望月です。前回のふりかえりでも書きましたが、本年4月より文化観光プランナーとして活動しており、引き続き、くりやまのおとの執筆・編集も担当しております。
今年の夏も暑かった栗山でしたが8月の猛暑から一転、9月から秋模様が強くなり、肌寒い日が続いております。
栗山町では、9月24日から26日までの3日間、町内最大規模のお祭りである「栗山秋まつり」が開催されました。
栗山天満宮の例大祭をはじめ、200を超える露店が並ぶなか、よさこいソーランや栗山の特産品などが味わえる「くりやま味覚まつり」などが行われ、平日開催にも関わらず、町内外から10万人に迫る来場者が行き交いました。
さて、2024年も早いもので残り3か月となりました。今回も、直近3ヵ月の活動を少し振り返えってみます。
3ヶ月間の振り返り(2024年7~9月)
酒井農場が北海道情報誌 HOに登場
3年前、くりやまのおとで取材させていただいた酒井利夫(としお)さんが、9月24日に販売の「北海道情報誌 HO(vol.204/2024年11月)」に掲載されました。
商業誌のため、多くは触れられませんが、酒井さんの生家をリノベーションした店舗で、町内にある蝦夷富士醸造の醤油を合わせた「生たまご飯」が紹介されています。
また調理には、3月末まで地域おこし協力隊で活躍した栗田敦臣(あつおみ)さんもお手伝いしており、誌面には酒井さんとツーショットで撮影されています
先日、酒井さんとお会いした際には、同取材の裏話も少し聞かせていただきました。実は昨年(2023年)にも同誌から取材の依頼があったようで、その時は、千歳市で発生した鳥インフルエンザウイルスが原因で道内卵の供給不足の状況下にありました。
オファー自体は嬉しかったですが、状況が状況なだけにお断りし、悔しい思いをしたようですが、今回の取材で念願叶う形になったそうです。
くりやまのおとの取材先では、モンテマローネの佐藤ご夫妻(vol.168/2021年11月)、名取屋のホルモン鍋(vol.192/2023年11月)に続いて、3回目となるHOの掲載。
HOとくりやまのおとの因果関係はわかりませんが、取材を行った身としては嬉しい時間となりました。
現場と技術の狭間を埋める・農業IoTサークル
直近の3ヵ月は、IoT[1]について考えさせられる時間を多くもらいました。
ファブラボ栗山の運営支援員として活動していた鈴木敦文(あつふみ)さんが、本日で地域おこし協力隊の活動を終え退任します。
退任にあたり鈴木さんの発案のもと、9月22日に「くりやま未来カフェvol.3-農業に革新を!IoTがもたらす新しい風-」を開催し、栗山の農業さんとIoTのエンジニアをつながる場を作りました。
基調講演者として、北海道情報大学准教授の湯村翼(つばさ)さんを招き、ファブラボ西播磨の創設者である竹田一成(かずなり)さんと栗山町の農家でもあり自身もエンジニアとしてセンサーを開発している堀田一司(ひとし)さん、同じく栗山町の農家・國本英樹(ひでき)さんを迎えて、國本さんと鈴木さんが1年半取り組んできた農業IoTの事例を紹介しつつ、それぞれの視点から見た「農業IoT」の可能性について議論しました。
また、堀田さんに関しては、イベントに先駆けて「広報くりやま9月号」とくりやまのおとにて紹介させていただきました。
23年間、システムエンジニアの第一線で活躍した堀田さんは、栗山で自作デバイスを活用しながら、スマート農業を実践している農家の一人。当日は現場と技術、両方の視点を持つ堀田さんの言葉から、話に広がりを見せた場面が多くありました。
なかでも、議題の一つになった「気象」に関しては、堀田さんの他にも、國本さんや他の農家さんから、現場の「生」の言葉が多く飛び交いました。
既存の気象情報(アメダス等)と、自分たちの農地の気候状況との差を感じる話も多くあり、IoT機器がそこを補うことができる可能性があること、既存のIoT機器は高価であるため、安価にスモールスタートを進める上で自作ができるファブラボ(栗山)の存在が大きな要素になること、ワークショップの中では、栗山町の基幹産業である農業と、近年設置されたファブラボ栗山との親和性も強く感じられる発言も多くありました。
農業関係者をはじめ、大学関係者や技術者など25名が集まり、各々の視点から多くの議論が交わされ、地域の「農業×IoT」に可能性を感じられる結果となりました。
先述のとおり、発起人の鈴木さん3年間の活動を終え、地域おこし協力隊を卒業します。10月からは札幌に拠点を移し、関係人口として、定期的に栗山に訪れ「農業IoTサークル」の活動を続ける予定です。
本企画の中で、鈴木さんと多くの言葉を交わしましたが「栗山の生活を通じて、自分がこれから『したいこと』が『IoT』なんだと理解できて、自分の視野が広がることができた」と語る場面が幾度とあり、傍から見た私としては、地域おこし協力隊やファブラボでの活動、農家さんの対話等を通じて、ご自身(鈴木さん)にとって実りある3年間を栗山で過ごすことができたのかな、と楽しく考える時間もいただきました。
文化観光プランナーの活動(2024年7~9月)
今回も栗山町に係る文化・観光に関する業務についても、簡単にご紹介します。
栗山町におけるウィキペディア編集活動
6月より水面下で進めていましたが、10月6日(日)に空知地方・栗山で初となる「ウィキペディアタウン in 栗山-みんなでつくろう栗山の百科事典-」を開催することになりました。
全国的に行われているウィキペディアのアウトリーチ活動[2]「ウィキペディアタウン」を栗山で実施することで、栗山地域の認知や歴史文化の理解、観光等への寄与を目指します。また、今回を通じて、町内外の関わりたい人が参加する情報発信活動となるよう、今後も継続的な開催を予定しています。
また、栗山町文化観光プランナーの業務として、公式にウィキペディアの編集をすることにしました。ウィキペディアの編集を始める経緯は、手前味噌ながら自身のnoteにて補足しておりますが、栗山町としての業務は公益に資する項目に限り、業務の合間を見て少しずつ編集する予定です。
現在、開催に向けた準備も大詰めを迎えております。次回の振り返りではイベント後の効果についても触れていければ嬉しいです。
注釈
[1]Internet of Thingsの略。モノのインターネットを意味し、家電製品・車など、「モノ」をインターネットと繋ぐ技術のこと
[2]「手を伸ばすこと」を意味する英語から派生した言葉で、公的な機関や文化施設などによる地域への出張サービスのこと